記事監修:日本美容外科学会 専門医
品川美容外科 渋谷院院長 和田哲行
唇の形は「アヒル口」に「ボリューミーなセクシーリップ」、「タラコ唇」など様々な表現がされます。唇は、まさにその印象がキャラクターを特徴づける部位といっても過言ではありません。
ふっくらとして厚い唇は女性らしい印象を与えますが、分厚すぎる唇、たらこ唇でお悩みの方もいらっしゃいます。
また、こういったお悩みは女性のみならず、男性にも多いようです。

セクシーな唇
厚い唇にお悩みで相談にお越しになる方のリクエストとして多いのが次の3つです。
- 厚ぼったい唇、たらこ唇が気になるから薄くしたい
- 唇が目立つので、薄くしてバランスを整えたい
- 下唇だけ厚いなど上下のバランスが悪いので整えたい
世間ではふっくらとした唇が良いとされていますが、本人にとっては嫌だと感じる方もいるようです。以前、ある患者さんが「笑うときにいつも手で口を隠している」とおっしゃっていました。これはコンプレックスからくる習慣でしょう。
顔に関するコンプレックスは人それぞれありますが、今回は厚い唇を薄くする方法についてまとめていきます。
くちびるが厚くなる原因は?
唇が厚くなる原因はいくつかありますが、「慢性」と「一過性」のものに分かれます。
遺伝的要因によるもの(慢性)
唇の厚みは元々の遺伝の可能性が高いでしょう。親から受け継いだものなので、生活習慣の見直しでの改善は難しいと言えます。
このタイプの方で唇の悩みを解消したい方は形成外科もしくは美容外科に相談することをおすすめします。
歯並びによるもの(慢性)

歯並びによるもの
きれいな歯並びの場合は厚い唇にはなりませんが、前歯の突出によって上唇が前歯に突き出される形になるので、粘膜が普通よりも露出してしまい厚い唇になってしまいます。歯が上唇を押し出しているという感じです。上唇が厚い人は歯科矯正をすると気にならなくなるケースもあります。
アレルギーによるもの(一過性)

アレルギーによるもの
唇は粘膜部分なので繊細です。今まで使用したことのない化粧品などを数日前から使い始めた人で、急に唇が腫れて厚くなったという場合は、唇に接触した成分がアレルギーを起こしている可能性があります。化粧品やリップクリームを変えて急に症状が出た場合は使用を控えるようにしましょう。
口唇炎によるもの(一過性)

口内炎によるもの
唇が赤く腫れ上がって唇がカサカサになり、ひどい場合は出血することもあります。
全体的に腫れたり、部分的に腫れたりとタイプはさまざまです。おもに乾燥やビタミン不足が原因とされているので、普段の生活を見直すことで改善できます。
口唇炎の場合は接触すると症状が悪化する場合がありますので、ワセリンなどを塗って乾燥しないようにし、あまり気にして触らないようにしておきましょう。腫れやかゆみが強い場合は、ステロイドなどの塗り薬が処方される場合もあります。
厚い唇の解消法は?
慢性的な要素、つまり遺伝による唇の厚さに悩んでいる場合は、形成外科や美容外科で「唇を薄くする手術」=「口唇縮小術」にてナチュラルに唇を薄くする方法があります。

唇を薄くする方法
まず、上下の唇の内側の粘膜部分を切除して整えます。
その後は髪の毛より細い糸を使用し、唇の粘膜の部分を縫い縮めて手術は終了です。
下唇だけが気になる、上唇だけ気になる場合はどちらかを切除するか、上と下のバランスで切除する量を変えるなどします。
手術時間は30~50分程度です。術後5~7日間に抜糸に来ていただき、その後は唇の消毒をホームケアでしていただくことになりますので、通院は手術+抜糸の2回で終了です。
唇の内側を縫い合わせますので傷口は目立ちにくいですが、口を開ければ糸が見えるため、抜糸まではマスクを着用していただくのがいいと思います。
唇は粘膜で、元々赤みがある部分なので、傷跡は最終的にはほとんどわからないくらいになります。
私の場合はこのケースの治療を現在までで多数治療していますが、患者様に大変満足していただいています。
実際の症例写真
この方は20代の女性で、唇を薄くしたいとの希望で来院されました。
診察してみると、上の唇の真ん中の部分が厚く見える形でした。その部分を整えて、下の唇もバランス良く薄くする方針としました。

【施術前】

【施術後】
ちょうど良い、ふくよかな女性らしい口元になりましたね。
唇の厚さや大きさは顔のバランスを見て決めます。
また、患者さんの将来のためにも「傷がわからないようにするにはどうするか?」を考えて施術に臨みます。
きっとこれからは、唇のコンプレックスから解消されて「明るく」「前向きに」日々を過ごしていただけると思いますし、それを願っています。
美容医療は、「コンプレックスから解放される」「前向きに生きる」など、心のケアも行えます。
僕はそんな患者さんにたくさん出会う中で、自分自身も逆に元気をもらっています。
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和田 哲行先生 のプロフィールは こちら