記事監修:日本美容外科学会 専門医
品川スキンクリニック 立川院 院長 藤村 淳
こんにちは、藤村です。
「女性の加齢は目元から!」
こんなフレーズをよく見聞きします。実はこの言葉のとおり、目元は表情や見た目年齢に大きな影響を与える部位となります。
そこで今回は、皆さんを目の下のお悩みから解消できるよう、症状別に対処方法を解説します。
年齢別・目の下の悩み
当クリニックに相談にお越しいただく方の年齢層はさまざまです。ご相談の多い目もとのお悩みを年齢別で見てみると、以下のようになります。
- 20代の女性…目の下のクマ、まつげの量
- 30代の女性…目の下のクマ、目尻・目の下のしわ
- 40代の女性…目の下のクマ、目の下のしわ
- 50代の女性…目の下のたるみ、目の下のしわ
長年目の下の悩みを抱えていた患者様に、目の下の「経結膜脱脂法」という施術をしたところ、たいへん気に入ってくださり、施術後にお礼の手紙をいただいたことがあります。
そこには、「もっと早く施術を受けておけば良かった」「化粧をするのがとても楽しい」「毎日が楽しいです」とつづられていました。
美容医療は見た目だけでなく、心を健康にする作用もありますので、とてもうれしいですね。
目の下のクマ・たるみの原因を知る!
目の下のクマの状態にはいくつかのパターンがあります。あなたはどのタイプでしょうか?
茶グマ…色素沈着などが原因のクマ
茶グマのおもな原因は色素沈着です。日常生活で落としきれないメイクやマスカラを落とす際に、目の下の皮膚をこすりすぎることで色素沈着を起こします。
また、アトピー性皮膚炎や乾燥によるかゆみも原因のひとつです。
青グマ…血行不良などが原因のクマ
目の下にはたくさんの毛細血管があります。
目の下の皮膚は、頬のあたりの皮膚に比べて3分の1程度ととても薄いので、目の周りの薄い皮膚から毛細血管が透けて青っぽく見えることがあります。
また、目の下の眼窩縁(がんかえん)がくぼんで、影のように見えている場合もあります。
黒グマ…たるみ、皮膚のくぼみなどが原因のクマ
生まれつき目の下の脂肪が少ない方は、目の下に眼窩縁というくぼみができている人もいます。
このタイプは、老化によって目の下の眼窩脂肪(がんかしぼう)を支えている筋肉(眼輪筋)がゆるみ、眼窩脂肪が突出し(脂肪で膨らんでいるように見えます)突出した皮膚を支えきれずにたるみが生じ、その下に眼窩縁のくぼみがあるため、さらに膨らんで見える状態になります。
この場合は、メイクでカバーしようとすればするほど目立ってしまうため、気になってはいるが自分ではどうしようもないというパターンに陥りやすいといえます。
「ゴルゴライン」って?
よく間違われやすいのですが、「目の下のくぼみ(眼窩縁)」と「ゴルゴライン」は、違うものです。
鏡をよく見ると、頬骨の上にできる長いラインがありますよね。これを「ゴルゴライン」と呼びます。
なぜ目の下にはくぼみや溝ができるのでしょうか?
「ゴルゴライン」という名前自体はあまり有名ではありませんが、ゴルゴラインは「ミッドチークライン」とも呼ばれます。
目の下と頬は筋肉が別々のパーツですので、頬の部分の筋肉や皮膚の垂れ下がりにより、目の下の筋肉とのあいだに隙間が生じます。これが「ゴルゴライン」の正体です。
「ゴルゴライン」は溝なので、ヒアルロン酸などのフィラー製剤で埋めることで、凹凸のない状態に戻すことができます。
症例写真はこちらからご覧になれます。
目の下のクマの解消法
ここでは、3種類のクマそれぞれの、解消法をご紹介します。
茶グマ…色素沈着などが原因のクマの解消法

茶グマの日常ケア
茶グマの日常ケアとしては、美容クリニックで処方されるハイドロキノンなどが有効です。
場合によってはハイドロキノンとトレチノインを併用することもありますが、トレチノインを使用する場合は、目の近くへの使用ですので、濃度が低い物を使ってください。
また、ルミキシルは、皮膚が薄い目の下や敏感肌の方でも使用することができます。
青グマ…血行不良などが原因のクマの解消法

青グマの日常ケア
青グマの日常ケアとしては、血行を促進する効果のあるビタミンK入りのアイクリームが有効です。
目の下がくぼんで影に見えている状態を併発している場合は、美容クリニックで眼窩縁と呼ばれる部分にヒアルロン酸などのフィラー製剤を注入します。すると、くぼみによる段差がなくなり、目の下がすっきり見えるようになります。
黒グマ…たるみ、皮膚のくぼみなどが原因のクマの解消法
眼球を支える筋肉の老化によって眼球が垂れ下がり、目の下の眼窩脂肪を押し出した状態になっています。
垂れた目の下の脂肪や皮膚は、日々のスキンケアで元に戻すことは不可能です。そこで美容医療では、「経結膜脱脂法」という「目の下の膨らみ取り」で目の下をすっきりさせます。
症例写真はこちらからご覧になれます。

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この施術では、目の裏(眼窩結膜)を1cmほど切開し、裏側から突出した眼窩脂肪(脂肪の膨らみ)を取り除きます。
施術時間は15〜20分ほどで、あっという間に終わります。
また、前述のように、目の下のくぼみ(眼窩縁のくぼみ)はくぼんでいる「溝」なので、ヒアルロン酸などを眼窩縁のライン上に添って注入することでより、段差がなくなりきれいに見える場合もあります。

眼窩脂肪は内側・中央・外側の3つにわかれています
眼窩脂肪は内側・中央・外側の3つに分かれていて、この脂肪が出ていれば出ているほど目の下の皮膚の下垂が進行しやすくなります。
50代、60代、男女問わずに多いのは、この3ヵ所の脂肪、皮膚が垂れ下がったパターンです。
この状態で放っておくと、裏からの「経結膜脱脂法」で脂肪をすべて取り除いても、皮膚が余ってしまい、目の下のしわが改善されない場合があります。その場合は、切開法を検討してみるのも良いかもしれません。
クマにお悩みの方は、クリニックにご相談を
目の下のクマにはさまざまな原因があります。茶グマ・青グマ・黒グマ、あなたはどのタイプでしたか?

目もとはお顔の印象を決める大事なパーツ
目の印象は、顔全体の印象を変えるくらい重要なポイントです。
「もっと早くケアしておけば良かった」「悩んでいた時間がもったいなかった」との声も多く聞きます。
美容医療と出会うことで気持ちが前向きになり、人生を楽しんでほしいと思います。
鏡を見ていつも悩んでいる方は、信頼できる美容かかりつけ医に相談してみてください。
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