記事監修:日本美容外科学会 専門医
品川美容外科 渋谷院院長 和田哲行
「二重埋没法」は、私が在籍している品川美容外科でも人気のある手術です。品川グループでは累計、なんと約74万件の症例実績があります。それだけ多くの方が「二重にしたい!」「アイプチから解放されたい」と思っているのでしょう。

外国人のような平行二重は永遠の憧れ…
その方の目の形や顔立ちによって合う二重の幅や形はさまざまですが、私は美容外科医として医学的な知識と経験を患者様に提供すること、さらに患者様からのご要望を合わせて作り上げることで、満足のいく結果に結び付くと考えています。
今回は、手軽にできる「プチ整形」に分類される「二重術」をわかりやすく解説します。お悩みの解消につながれば幸いです。
「二重埋没法」とは?

埋没法図解
引用元:品川美容外科「二重術スーパークイック法」
「二重埋没法」とは、まぶたに糸を埋め込んで、まぶたの皮膚のくびれを作る二重術です。
精密眼科用針と髪の毛より細い医療用の糸により、まぶたの裏をとめます。当院で行っている「1DAYナチュラルクイック法・1DAYナチュラルクイック法ハイパー」は、瞼板、挙筋の境界部をしっかりと固定しますので、戻りにくく自然な二重にすることが可能です。
糸はまぶたに埋没されるため眼球を傷付けることはありません。溶ける糸を使用していないので、くびれができた二重は基本的には半永久的にそのままの形を持続します。
きれいな二重を長持ちさせるには?
術後、二重は半永久的にそのままのはずなのですが、「数ヵ月で二重が取れてしまった」「3年前に埋没法をしたが二重のラインが薄くなってしまった」というケースもあれば、「10年前に埋没法を受けたが持続している」というケースなど、さまざまなご意見があります。
なぜこのように個人差が出るのでしょうか?
それは「その方が希望した二重の幅や形に、玉留の点数や手術方法が合っていたか?」ということなのです。
留める点数は綺麗な二重のカーブをつくるためには、3点以上が理想的です。
つまり、本来なら患者様の希望する形が維持できるように、二重の施術方法を医師がマッチングさせる必要があるのです。
自分に合った施術方法は?
では、お悩み別に適切な施術について解説します。
・目が小さい・一重まぶた
目を大きく見せるために、まずは「目の縦幅」「目の横幅」のどこを広げれば理想の形に近づけるかを診断します。
縦の幅を広く見せるには「二重埋没法」で、きれいな二重のラインを作ります。二重の形としては、目頭から目尻にかけて二重の幅が広がる「末広型」と、目頭から目尻まで同じ並行のラインをしている「並行型」の2つのタイプに分類されます。
・末広型
元々の目の形によって、できる二重のラインは異なります。
目頭部分にかかる「蒙古ひだ」と呼ばれる、ひだが張っている方が埋没法を施した場合、多くが末広型になります。下図の赤く示した所は埋没法の玉留をしているところです。
目の状態にもよりますが、約5~7mmの幅にしておくとまぶたの負担が少なく、きれいな二重のラインが保ちやすいといわれます。仕上がりもとてもナチュラルになります。
・並行型
目頭の蒙古ひだがあまりない場合は、下図のように並行型に仕上げることが可能です。最近はこういった幅広の二重にアイメイクをする若い女性が多く、幅広の並行型二重を希望される方が増えてきました。
並行型の二重ラインにするためには、3点以上でしっかり埋没させることできれいな二重ラインを維持しやすくなります。
<並行型の仕上がりイメージ>
・蒙古ひだがある場合
蒙古ひだとは、「目頭の部分を覆う上まぶたのひだ」のことをいいます。日本人(黄色人種)に多く見られ、西洋人には蒙古ひだはありません。
蒙古ひだがある場合は、「埋没法」と「目頭切開法」で、きれいな並行型に仕上げることができます。
「目頭切開法」は目頭にかかる蒙古ひだをくの字に切除することで、きれいな並行型を作る施術です。部分的ですが切開法になるため、縫合糸で縫い、術後5~7日で抜糸を行います。
患者様の中でも、「切りたくない」「休みが取れないので糸がついたままでは困る」「でも並行型にしたい」とおっしゃる方もいます。その場合は、目頭のさらに上から二重のラインを作る方法もあります。この施術では、2つの点に気を付けなくてはなりません。
- 埋没法の点数を3点以上で広げること
- 蒙古ひだを取り除かないので、二重のラインの内側にうっすらと蒙古ひだのラインが出てくる可能性がある
<蒙古ひだがある方の、並行型を希望した仕上がりイメージ>
また、目頭の蒙古ひだは下に引っ張る力が強く働くため、「二重埋没法」の内側の糸が取れやすい傾向があります。
さらに、目頭の蒙古ひだは横に引っ張る力によって目立ちにくくなります。鼻にヒアルロン酸を入れることで、目頭の皮膚が引っ張られて蒙古ひだが伸び、「並行型のように見える」という方法もあります。
ヒアルロン酸の張力で皮膚を引っ張る方法は手軽でいいのですが、ヒアルロン酸が吸収されてなくなってくると、目頭の皮膚を引っ張る力もいっしょになくなりますので、繰り返しヒアルロン酸を注入する必要があります。
・目の上が脂肪や皮膚で厚い場合
このような目の場合は、「二重埋没法」をすると同時に、「目の上眼窩脂肪」を取り除くことで二重を定着させやすくします。
日本人(黄色人種)には、目の上の脂肪や筋肉に厚みがあるタイプが多いです。
そもそも二重まぶたとは、皮膚にまぶたを開ける力が働くことにより皮膚が折れ曲がって、二重になるわけです。それに対し、厚いまぶたの場合は、まぶたを開けるときに眼瞼挙筋の挙筋腱膜がまぶたの皮膚に伝わらないため、皮膚が折れ曲がらずに一重まぶたになります。
つまり、日本人の多くは、まぶたの皮膚や脂肪の厚みによって一重になりやすい遺伝子を元々持っているということになります。現代女性は目がぱっちりとした顔に憧れがある方が多いため、二重の手術を希望する方も多くなっているようです。
<目の上の脂肪・皮膚が厚い方の仕上がりイメージ>
・二重のラインが薄い場合
皮膚の厚みや脂肪がかなり多いと皮膚が折れ曲がりにくく、二重のラインが浅い方がいらっしゃいます。この場合は脂肪を取って埋没法をすることが、適応とされます。
また、二重埋没法をしても一重に戻ってしまう場合、または二重のラインが薄くなる場合があります。そのときには、二重のラインに添って眼窩脂肪と筋肉を切除して二重のくびれをつける二重切開法という施術が適応される可能性があります。
二重の浅いラインが、アイプチによって皮膚の折れ目ができている場合もあります。こういった方は皮膚の厚みがなくラインもつきやすいと判断し、埋没法のみでも対応できる可能性があります。ただ、まれにアイプチの使用で炎症を繰り返し、まぶたの皮膚が硬くなっている場合もありますので、診察の中でどの方法が良いか適応を判断していきます。
<二重のラインが浅い方の仕上がりイメージ>
二重の幅を広げすぎたNGパターン
10mmを超える二重を作る場合は注意が必要です。個人差によりますが、目が小さく見えるケースがあるためです。
実際に二重の幅を広げすぎると、「黒目が見えている範囲が狭い」「目の開きが悪い」「眠たそうな目」になってしまう方がいます。メイクでは映える顔立ちのように感じますが、メイクを取ったときのナチュラルさを残すことも重要です。
目を大きくきれいに見せられる二重のラインや幅は個人差がありますので、医師とよく相談してください。
目を大きく見せる、もうひとつのテクニック
目を大きく見せたい場合に目の縦の幅を意識するのですが、もうひとつ美容外科でできるテクニックとして、涙袋の形成が有効です。
涙袋は目の下にある眼輪筋という部位なのですが、筋肉の大きさなどに個人差があるため、笑ったときにふっくらと涙袋が出る方と出ない方がいます。個人差がありますが、もし鏡を見て涙袋が小さい、または薄いと感じたら、まずはヒアルロン酸注入などを検討してもいいかもしれません。
特に若い20、30代の方には、涙袋形成は人気があります。
「二重埋没法」と「ヒアルロン酸」による涙袋形成で目の縦幅が広がり、より立体的に見えるようになります。
<涙袋形成の仕上がりイメージ>
自分に合った施術を選んで理想の二重に
目を大きくするには、さまざまな方法があります。誰でも一度受けた手術をきちんと長持ちさせたいですよね。そのためには、希望の形が維持できるように、二重の施術方法をマッチングさせる必要があるのです。
「二重埋没法」は糸をかける手術なので、「やり直したい」「もう少し二重を広げたい」などのご要望にも応えられる可能性の高い施術です。
しかし、何度も糸をかけると埋没法の玉留になっている「結節」という部分が出てしまうケースや、糸がまぶたの筋肉の負担になり、眼瞼下垂を招くケースもあります。
「二重埋没法」に関する動画がありますので、「2分でわかる二重術」を参考にしてください。
私の考える良い医師とは、「医師としての経験を踏まえて」「その患者様の今と将来」をいっしょに考えてくれる医師です。
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