カジュアルなきものとは、普段着として着用する小紋で、お散歩、お食事などのシーンで着ることができます。
いよいよ本格的に夏が始まりましたね。女性の夏の風物詩と言えば浴衣。花火大会や夏祭りに着る方も多いと思います。いつもと違う装いは気分も自然と上がりますよね。
ですが、浴衣を自分で着るのはとても大変です。「せっかく着たのに着崩れしちゃった…」そんな経験、誰しも一度はあるのではないでしょうか。普段あまり着ない浴衣だからこそ、美しく上品に着こなしたいものです。
そこで今回は、ひとりでも簡単に浴衣を着れる着付け術をうなじをキレイに見せるポイントとともにご紹介します。
準備するもの
・カジュアル着物
・帯
・長襦袢
・帯板
・伊達締め
・腰紐
さっそく着付けに挑戦!
まず前準備として、ヘアメイクなどを済ませて、長襦袢を着ておきましょう。
STEP1
浴衣を肩からはおり、左右の袖口をつかんで背中の縫い線が体の中心に来るように調節します。
STEP3
片手で襟先から10センチくらいのところをもち、もう片方で背中の縫い線を持ち、裾を持ち上げます。そのまま裾をくるぶしがちょうど見える高さまで降ろします。
STEP4
次に、上前の長さを決めます。左手が右脇にぴったりくる長さに決めたら、一度上前を広げ、下前を体に巻き込みます。この時、下前の裾は少し多めに、15センチほど高く巻き込みます。こうすることで形がきれいに!
上前を体に巻き込みます。
STEP6
この高さを崩さないように気を付けながら腰ひもを巻きます。後々着崩れの原因となるので、腰ひもはしっかりきつく結びましょう。結び方は蝶々結び大丈夫です。余った紐は結び目などに巻き付けてしまいましょう。
STEP7
しっかりと腰紐が結べたら、おはしょりを整えます。脇の下付近にある身八つ口から手を入れて前後のおはしょりのしわを整えます。
ここが分かれ目!うなじがきれいに見えるコツ
STEP8
うなじをキレイに見せるには、衣紋の抜き具合が大きく関わってきます。衣紋は前の衿の先と背中の縫い線のところをもって、抜き加減を決めます。この際、こぶし1個分を目安に抜きます。正面から見たときに、衿から肩先までがスッと斜線を引いたような、なで肩が最も美しいシルエットです。
STEP9
しわの寄ってしまった部分を伸ばす。
最後に集めたたるみを隠すように伊達締めを巻き、上から帯を巻きます。
帯の結び方【かんたんな蝶結び】
※最初に手にとる30センチほどの帯の部分を「て」と呼び、それ以外を「たれ」と呼びます。
STEP1
帯を2つ折りにした後、自分の肩から足の付け根までの長さ程度で一度折り、帯を肩にかけます。残りの部分は帯の長さにもよりますが、腰に1巻きから2巻きします。
STEP2
巻き終わりの「たれ」を斜め内側に折り上げ、「て」を上にかぶせて下からくぐらせ、ひと結びします。「て」が上に来るよう結び目をクロスしてねじ上げます。
STEP3
余った「たれ」を巻きながら折っていくのですが、1巻き目は25センチ、2巻き目は35センチといったように長さを少しずらしながら巻いていくと仕上がりがキレイになります。折りたたんだ「たれ」の中央に山ひだを作ってリボンの形をにします。
STEP5
「たれ」を結び目の中心に合わせ、「て」を上からかぶせ、ぎゅっとひと巻きします。「て」を胴に巻いた帯の内側に入れ、下から引き出し、余りは内側に折って胴にしまいます。
STEP6
リボンの形を整え、帯を後ろに回します。この時、右から後ろに回しましょう。反対に回すと衿がくずれてしまいます。
STEP7
最後に帯板を入れて、完成です!
帯板を入れることで、帯まわりがスッキリします。
おわりに
ほんのちょっと着付けにコツを加えるだけで、浴衣を上品に仕上げることができます。
キレイにしっかりと着付けることができれば、浴衣の着くずれに気を使うことなく、思いっきりイベントを楽しむことができます。立ち振る舞いも自然になり、大人の余裕を醸し出して周りを魅了することもできるかもしれません。
1年の中でも夏の間しか着る機会がない浴衣。
今年の夏は、うなじをキレイに見せる浴衣の着付け術をしっかり習得して、今までとは違う大人の魅力をアピールしませんか?