美容ライター: cozycozy
取材協力:D-FRONTクリニック
院長 田中 智佐子
シミや肝斑(かんぱん)、そばかすといったお悩みは、どれもお肌の色ムラとして表面に現れます。
どれも同じに見えますが、それぞれ原因が違うため、対処法も異なります。本気で治したいなら、自己判断によるセルフケアは避け、お医者さんに頼るのがベター。
クリニックに行くまえに、お医者さんでも見分けるのが難しいといわれるシミ・肝斑・そばかすの基本的な違いについて勉強しておきましょう。
そばかすは先天性、シミ・肝斑は後天性だが深さが違う

パッと見で素人がシミの種類を判断するのは危険。
シミ・肝斑・そばかすは、3つともメラニンが関係しています。このメラニンは、何のためにあるのでしょうか?
メラニンとは本来、お肌の邪魔者ではありません。お肌を紫外線などの刺激から保護する役目を持っている色素です。メラニンにはユーメラニンと呼ばれる黒色系メラニンとフェオメラニンと呼ばれる黄色系メラニンの2種類があり、この2つのバランスで基本的な肌の色が決まります。

そばかすは遺伝。
そばかす(雀卵斑)は先天性、つまり遺伝するものです。子供のころに、鼻や頬の周りに細かい薄茶色の丸がポツポツとできるのがそばかすです。
そばかすと違って、シミと肝斑は後天的なもので、両者の違いはおもに深さにあります。
メラニンはお肌の表皮の一番奥、基底層で作られます。紫外線を浴びると基底層にあるメラノサイトが刺激され、メラニンが生成されるというしくみです。メラニンが蓄積されると、年齢とともにだんだんとお肌の表面に浮かび上がってきます。これがシミ(老人性色素斑)で、おもにお肌の表面に近いところに、丸い形でできます。

シミはメラノサイトによって作られます。
一方、肝斑は表皮の深いところにできるものです。こちらは紫外線だけでなく、ホルモンバランスの乱れが関係していると考えられていますが、はっきりとした原因はわかっていないのだそうです。頬骨のあたりに、シミより広い範囲で、地図のような形状で出てきます。
お医者さんでも見分けるのが難しい
シミ・肝斑・そばかすはどれも広義のシミにあたります。
アザも含め、これらを医学的に厳密に区別するのは難しいのだそうです。

左右対称にぼんやり広がっているのが肝斑ですが、厳密に見分けるのは難しいです。
お医者さんは基本的に「見た目」で判別して治療しますが、特に見分けるのが難しいのはシミと肝斑です。シミは皮膚の表面に近いところにできることが多いのではっきりと見え、肝斑は逆に深いところなのでぼんやり見えます。
ただし、目視ではわからないときは、「試した治療法に反応したらこっち」というような診断も行われるそうです。また、より正確に判別するときには「ダーモスコープ」という特殊な機器を使った検査を行います。
患者さんが自己判断すると、知らないうちに間違った治療法を選択してしまうことがあります。

刺激を与えることで悪化するシミ。
例えば、「くすみだと思ってスクラブでゴシゴシこすっていたら実は肝斑で、刺激によって悪化してしまった」なんていう例もあります。これは、刺激を与えることでメラニンが余計に増えてしまうため、肝斑も悪化したと思われます。
お医者さんでも難しい診断を自分で行うのは危険です。田中先生によると、診療数の多いお医者さんは比較的正確な診断ができるそうなので、お悩みの方はクリニックで一度診察を受けてみてください。
シミ、肝斑、そばかすの予防法・治療法は?

レーザー治療には、様々な種類がありますので、医師とよく相談しましょう。
違いが分かったところで、シミ・肝斑・そばかすの予防法と治療法を見ていきましょう。
・シミ
シミの予防には、日々の紫外線ケアやビタミンC・Eがおすすめです。できてしまった薄いシミには美白化粧品も有効ですが、定着してしまったシミにはレーザー治療やフォトフェイシャルが向いています。
・肝斑
肝斑はシミ治療をすると悪化するといわれてきました。しかし、最近では肝斑に効くレーザートーニングも出てきています。普段の生活では紫外線ケアに加えて、刺激を与えないように洗顔も優しくしましょう。内服薬で、トラネキサム酸をとるのもおすすめです。
・そばかす
そばかすは遺伝的要素が強いので、治療には時間がかかります。そばかすをより濃くしないために、紫外線対策は必須です。そばかすを消したい場合、肌質全体を改善する光・レーザー治療が向いているでしょう。
間違ったケアで悪化させないためにも、クリニックを上手に活用しよう

シミひとつない白肌を目指して…!
シミ・肝斑・そばかすの違いについて理解いただけましたでしょうか?
まずは普段の生活で紫外線を浴びない、メラニンを作らせないようにするのが基本です。併せて、サプリメントや美白化粧品を使うとさらに効果的です。
もし、シミや肝斑らしきものができてしまったら、なるべく触らないようにして、きちんとお医者さんの診察を受けてくださいね。
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