記事監修:武内大
こんにちは、医師の武内です。
女性にとって永遠のテーマともいえる「ダイエット」。ダイエット市場は、現在日本国内でも2兆円規模となっています。
今回は女性なら誰もが気になる、ダイエット薬・サプリメントの効果と副作用について紹介したいと思います。
世界中で流通しているダイエット薬・サプリメント

必ず痩せる!?ダイエット薬とサプリメント検証!
痩身需要の拡大に伴い、さまざまなダイエット薬やサプリメントが市場に出回っています。アメリカやヨーロッパでも、肥満を改善するためにさまざまな薬が存在していますが、日本では厚生労働省の認可が下りないと、薬を国内で販売することができません。
そのため、日本で薬を開発するには時間がかかりますが、薬は何千、何万もの治験を通って医薬品として認可されますので、安全が確保されているともいえます。
ダイエット薬・サプリメントを徹底比較!
ダイエット薬やサプリメントは、そのほとんどが海外からの輸入製品で、物によっては個人輸入で購入できる物もあります。手軽さの反面、実際に効果があるのか、副作用があるのかは、飲んでみないとわからない部分があります。
そこで、一部ではありますが、医療機関で知られているダイエット薬やサプリメントについてご紹介します。
ダイエット効果は★5段階で評価していますので、参考にしてみてください。
・ゼニカル
「ゼニカル」は、食べた脂肪分の30%を、体内に吸収させずに体外へ排出できる医薬品です。メカニズムは、消化酵素である「リパーゼ」を長時間抑制することにあります。
脂肪分は胃で「トリグリセリド」に分解され、それをリパーゼが「グリセロール」と「脂肪酸」に分解して、小腸で吸収されます。ゼニカルは、トリグリセリドが分解されるまえにリパーゼを結合するため、脂肪分が吸収されず、そのまま排出できるというしくみです。
トクホの「黒烏龍茶」も同じメカニズムですが、ゼニカルは医薬品のため、脂肪の吸収を確実に30%抑えることが大きな違いになります。
【主成分】
オーリスタッド120mg、微結晶セルロール、ミクロクリスタリンセルロース、グリコール塩酸ナトリウムスターチ、ラウリル硫酸ナトリウム、ポビドン、タルクなども含まれています。
カプセルの外殻は、ゼラチン、2酸化チタン、FD&C青色1号と澱粉、ポビトン、ラウリル硫酸ナトリウム、滑石、ゼラチン、インシゴカルミン、二酸化チタンが使用されています。
【ダイエット効果】
★★★☆☆
【副作用】
99%の医薬品成分が体外に排出されますので、成分が体内に蓄積されません。また、中枢神経に作用するような重大な副作用はありませんが、注意点としましては「便がゆるくなる」「排便時に脂が出る」といった症状が出ます。なお、リパーゼ結合時に脂溶性ビタミンA・D・E・K、βカロテンの吸収も阻害してしまいます。ビタミン剤をなどで不足したビタミンを補いながら服用したほうがいいでしょう。
・サノレックス
厚生労働省に承認されている、国内唯一の食欲抑制薬です。「サノレックス」の主成分である「マジンドール」は、神経伝達物質であるトランスポーターの働きを阻害することで、アドレナリン、ドパミン、セロトニンなどの量を増やし、満腹中枢を刺激して食欲を抑えます。
また、サノレックスには「ノルエピネフリン」と同様の作用があります。この作用のために、エネルギー代謝が促進され、汗の量が増えることがあります。しかしそのおかげで、一日中何もしなくても体のエネルギー消費量が増えるのです。
【主成分】
ステアリン酸マグネシウム、ポビドン、トウモロコシデンプン、部分アルファー化デンプン、乳糖
【ダイエット効果】
★★★★★
【副作用】
口の渇き、吐き気、便秘、頭痛、動悸、脱力感、神経過敏、睡眠障害など。
夕方以降の服用は睡眠障害を起こす可能性があります。また、アルコールといっしょに摂ると、めまいや眠気などの副作用が悪化する可能性があります。
・オブリーン
武田製薬が製造販売の承認を取得した脂肪吸収抑制剤「オブリーン錠120mg」(一般名:セチリスタット)です。
これは、「リパーゼ阻害剤」として国内で初めて承認を得ましたが、2015年10月現在も販売される兆しはありません。基本的には「ゼニカル」と同じ作用があります。
脂質はリパーゼによって分解されなければ腸から吸収されないため、体重減少効果が期待できます。
参考文献:武田薬品http://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00064678
【主成分】
シクロスポリン、レボチロキシン、ワルファリン
【ダイエット効果】
★★★☆☆
【副作用】
ゼニカルとほぼ同等の「下痢」「脂肪便」といった副作用があります。また、リパーゼ結合時に脂溶性ビタミンA・D・E・K、βカロテンの吸収も阻害してしまいます。ビタミン剤をなどで不足したビタミンを補いながら服用したほうがいいでしょう。
・BBX(サプリメント)
イライラしたりストレスが高くなったりすると、「コルチゾール」という物質が分泌され食欲が増進します。
「BBX」は、食欲抑制効果に加え脂肪の吸収を抑える作用もありますので、摂取したカロリーの約50%をカットすることができます。主成分がオーガニックになりますので、安心して服用できますね。
【主成分】
緑茶抽出成分、L-カルニチン、ガルシニアカンボジア抽出物、白インゲン豆抽出物、唐辛子抽出物海藻抽出物、クレアチン水和物、オプティア、フィカス、インディカ粉末、共役リノール(CLA)L-チロシン、L-テアニン、小麦胚芽粉末、α-リポ酸、コエンザイムQ10生姜抽出物、クロミウムアミノ酸キレート
【ダイエット効果】
★★★★☆
【副作用】
軽度の下痢や虚脱感、喉の渇き
安全性はどれが高い?
結果的に、副作用の観点とダイエット効果で見てみると、「BBX」が一番安全でダイエット効果を得やすいといえます。
ですが、BBXに関しては、クリニックにより飲み方の推奨方法がさまざまです。品川スキンクリニック表参道院の石橋先生が、BBXに関して監修している記事がありますので参考にしてみてください。
【医師が本気で考えた】ダイエットサプリBBXの正しい飲み方は?
確実にやせたい場合は「サノレックス」の服用をおすすめします。
また、クリニックでは2つの作用を求めて、「サノレックス」と「ゼニカル」を処方するケースも多いです。
この2つの作用とは、「サノレックスで食欲を抑制」+「ゼニカルで摂取してしまった脂肪分を30%カット」することができるからです。
これは確実にやせますね!
サノレックスの飲み方には、いくつかの注意事項があります。
詳しくは「【医師が解説】短期間で5kgも減量可能!?話題の薬「サノレックス」とは?」をご確認ください。
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